2025年10月28日(火曜日)
パーソナリティ:今井 通子
回答者:坂井 眞(弁護士)

こんにちは、悟(さとる)です。
親子の関係というのは、近すぎても難しく、離れすぎても寂しいものですよね。
特に、大人になった子どもとの距離感に悩む方は少なくありません。
今回のご相談は、61歳の母親が、33歳の娘との関係に悩むお話です。
久しぶりに娘と向き合おうとした矢先、思いがすれ違ってしまい、連絡が途絶えてしまった――そんな状況に戸惑う母親の心情が伝わってきます。
娘にとっても、母にとっても、決して悪意があるわけではない。
ただ、伝え方や受け取り方のズレが、深い溝を生んでしまうこともあるのです。
今回は、弁護士の坂井眞先生が、この繊細な親子関係にどう向き合うべきかを丁寧に語ります。
娘が帰ってきたいと言った夜、母は断ってしまった
相談者は61歳の女性。夫と二人暮らしをしています。
33歳の長女は大学卒業後、いくつかの会社を転々としながら、一人暮らしを続けていました。
そんな娘が、3か月ほど前に7歳年下の男性と交際を始め、勢いで同棲を決めたのです。

ところが、その生活はわずか1晩で破綻してしまいました。
娘は家財道具のほとんどを処分しており、途方に暮れた状態で母親に連絡を入れます。
「実家に戻ってもいい?」
突然の言葉に、母親は戸惑いました。
長く離れて暮らしてきた娘が、急に戻ると言い出したことに驚きつつも、「一時的なことなら」と考えていたそうです。
けれど、娘が「しばらく居たい」というニュアンスで話したため、母親は“ずっと居座るつもりなのでは”と感じてしまい、思わず断ってしまいました。
その後、娘は母親にこう言い放ちます。
「もう親子関係にメリットがないと思う」
その一言を最後に、娘からの連絡は途絶えました。
すれ違う母と娘、性格の違いが生む誤解
母親は自分を「じっくり考えるタイプ」と話し、娘のことを「思ったことをすぐに言う、はっきりした性格」と評しています。
この性格の違いが、日々の会話にもズレを生み出してきたようです。
母親にしてみれば、娘の将来を案じての言葉でも、娘にとっては「否定された」と感じられてしまう。
一方で、娘の率直な発言が、母親には「攻撃的」に聞こえてしまう。

互いに悪気がないのに、距離がどんどん広がっていく――そんな親子のすれ違いが、今回の出来事を引き起こしたともいえます。
「弟を通じて連絡を取ってもいい?」という迷い
相談者には、29歳の息子がいます。
彼はすでに結婚しており、家庭を持っています。
母親は、息子を通じて娘の安否を確かめようとしましたが、「巻き込みたくない」「迷惑をかけたくない」という気持ちが強く、積極的には動けずにいました。
一度、母親は娘に謝罪のメールを送りました。
「冷たくしてごめんなさい」
けれど、返事はありません。
LINEも既読がつかず、ブロックされているのかもしれないと、不安を口にします。
坂井先生の助言:焦らず、まずは整理を
坂井眞先生は、母親の気持ちに寄り添いながらも、現実的なアドバイスを与えました。
「どちらが悪いということではありません。お互いがそれぞれの立場で精一杯考えて行動した結果が、今のすれ違いを生んでいるのです」
娘にしてみれば、失恋と生活の崩壊という二重のショックの中で、感情が不安定になっていた可能性があります。

一方の母親も、「また失敗するのではないか」という不安から、受け入れる勇気を持てなかった。
それぞれの“正しさ”がぶつかってしまったのです。
坂井先生は、今無理に関係を修復しようとするよりも、**「時間を置くこと」**をすすめます。
「人間関係は、感情が落ち着いてからでないと整理できません。今はお互いの心を休ませる時期と考えてもいいと思います」
また、連絡を再開する際には、「どういう形で関わりたいのか」を母親自身が考えておくことが大切だといいます。
「娘さんを無条件で受け入れるのか、それとも一定のルールを決めて同居するのか。母親として“できること・できないこと”を明確にすることで、再び同じ衝突を避けられるでしょう。」
「距離をとる優しさ」もある
親は、子どもを支えたいという思いを持ち続けます。
しかし、子どもが大人になったとき、親ができる支え方は少しずつ変わっていきます。
ときには「そっと離れて見守る」という優しさが、最も大きな愛情になることもあります。
無理に連絡を取ろうとせず、焦って修復を求めるよりも、今は娘が自分の力で立ち直る時間を尊重することが、親としての思いやりにつながるのかもしれません。
坂井先生の言葉を借りれば、親子の関係は「いつでもやり直せるもの」なのです。
一度こじれても、長い時間の中で自然と修復されることもある。大切なのは、扉を完全に閉ざさないこと。
母親が「いつでも帰ってきていい」と心の中で思い続けていれば、それは確かに娘に届く日が来るでしょう。
まとめ
親子だからこそ、言葉がぶつかってしまう。
それでも、お互いが心のどこかで「大切に思っている」ことに変わりはありません。
今回のご相談から感じたのは、「距離をとることも愛のひとつ」ということ。

つながりを強引に保とうとするよりも、相手の人生を信じて見守る強さを持つ――それが、親としての成熟なのかもしれません。
親子の絆は、どんなに遠回りをしても、ふとした瞬間にまた結び直せるものです。
どうか、焦らずに時間の流れに任せてみてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
人は誰かの悩みや言葉に触れたとき、ふと自分の心が揺れていることに気づくことがあります。
その小さな揺れは、これからの自分を整える大切な“サイン”なのかもしれません。
もし今、胸の奥にそっと抱えている思いがあり、「どこかに話してみようかな」と感じている方がいらっしゃれば、いくつかの相談先をここに置いておきます。
どれが正しいということはありません。
今のあなたに合う形を、静かに選んでいただければ十分です。
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寄り添って話を聴いてもらいたいとき、人生経験の深い回答者の言葉に触れたいとき──。
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公式の場に踏み出すには少し勇気がいる、あるいは「もっと個別の、自分だけの気持ちをゆっくり聴いてほしい」と感じることもあるでしょう。
このブログでは、そうした気持ちを抱えたままの方でも選べる、国家資格を持つプロのカウンセラーにそっと心を預けられる場所もご紹介しています。
無理に利用する必要はありません。
ただ、自分に合う距離感で「心を整える選択肢」が他にもあるということを、必要になったときに思い出していただければ十分です。
どの道を選んだとしても、それは “自分を大切にした証” だと思います。
またゆっくりとお会いできますように。
── 悟(さとる)


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