母を憎む57歳娘、介護前に揺れる心と大原敬子の静かな助言

高齢の母との関係に悩みながらも、気持ちを整理し始めた50代後半女性の静かな横顔

テレフォン人生相談 2025年11月27日 木曜日
パーソナリティ: 柴田理恵さん
回答者: 大原敬子先生(幼児教育研究)


こんにちは、悟(さとる)です。

本日はテレフォン人生相談から、母を嫌い続けてきた57歳女性が、これから始まるかもしれない介護にどう向き合うか悩む相談です。


親が高齢になると、社会は「大切にしなさい」と言いがちです。

でも、子どもの頃に傷つけられた記憶が残っている人にとって、その言葉は簡単ではありません。

今回の相談は、その“簡単ではなさ”を、丁寧に言葉にした時間でした。

■母が高齢になっても消えない「嫌い」の感情

相談者は57歳。夫も同い年で、子どもは独立し、今は夫婦二人で暮らしています。

実家には父90歳、母87歳。今のところ二人で生活はできているものの、年齢を思えば、これから介護の場面が近づいてくるかもしれない。

そこで相談者は、自分の心が追いつかないことに気づいてしまいます。

母のことを、心から世話したいと思えない。

むしろ「早く死んでほしい」とまで思ってしまう。

その感情が出てくる自分に、相談者自身がいちばん動揺しています。


ただ、その背景をたどると、この感情は突然生まれたものではありませんでした。

幼い頃から、母は相談者に厳しく、否定が多く、姉妹を比べる言葉も繰り返してきたといいます。

大人になって振り返ったとき、初めて「私は、可愛がられてこなかった」と、はっきり感じるようになった。

時間が経つほど輪郭が増していく痛みもあるのだと思います。

■幼少期の言葉は、年を取っても心に残る

相談者には年子の妹がいましたが、妹は5歳で亡くなっています。

母は生前の妹を強く可愛がり、相談者に対しては容姿や性格を貶すような言い方を重ねたそうです。

そして妹を亡くした時には、「あなたが死ねばよかった」と言われた、と。

この一言は、子どもの心に「居場所がない」という感覚を刻みます。

嫌いというより、怖い。近づくと傷つく。だから距離を取りたい。

けれど親子である以上、縁は簡単に消せない。


相談者は父を頼りにしてきた面もあったものの、父が母を止めたり、注意してくれたりした記憶はほとんどないと言います。

家庭の中で守ってくれるはずの大人が守ってくれなかった、という感覚も、相談者の中に静かに残っているように聞こえました。

さらに大人になってからも、母の態度は変わりません。

就職のこと、結婚相手のこと、何を話しても否定され、「あなたのため」と言われ続ける。

言葉としては正しそうに見える分だけ、逃げ道がなくなる種類の苦しさがあります。

■大原敬子先生が示した「母の心情」を見る視点

大原敬子先生は、最初に結論めいた言葉を置きました。

感情のままに動いてしまうと、あとで強い後悔が残るかもしれない、と。

相談者が優しい人だと見抜いた上で、未来の痛みを先に避けようとしたのだと思います。

「今の気持ちのまま切ってしまうと、のちの自分が苦しくなる」という指摘は、道徳ではなく、相談者の人生を守るための言葉として響きました。

では、なぜ母はここまできつく当たったのか。

先生は、親子関係でよく起きる構図として、母の内側にある寂しさを取り上げます。

父は気が弱く、波風を立てないように引いてしまう。

その結果、母は夫婦の中で満たされず、孤独を抱え込みやすい。

夫婦の関係が整わないとき、子どもに向かって感情が流れやすい。

とくに、夫に似ている子や、言いやすい子に向かうことがある。

ここで先生が使った言葉は「甘え」でした。

乱暴に聞こえるかもしれませんが、意味は「あなたなら受け止めてくれると、母が無意識に頼ってしまった」という方向です。

相談者が欲しかった愛情とは別の形で、母は相談者に寄りかかっていた。

その歪さが、相談者の心を長く削ってきたのだと思います。

■「後悔」は幸せになった時にやってくる、という怖さ

大原先生の話の中で印象的だったのは、後悔の捉え方です。

人は不幸の渦中にいると、「あれでよかった」と思いやすい。

しかし心が癒えて、生活が落ち着き、幸せを感じられるようになった時に、「あの時、もう少しできたかもしれない」と思い始める。

恨みが薄れるのではなく、自分が回復したぶんだけ、過去に向ける目が変わる。

先生はそこをとても現実的に語っていました。

そして、相談者には子どもがいます。

親の姿は、子どもが静かに見ている。

ここは脅しではなく、「自分が選んだ行動は、未来の自分を支える材料にも、責める材料にもなる」という話だと受け取りました。


先生が一貫していたのは、「母を好きになれ」とは言わないことです。

感情を無理に変えようとしない。

その代わり、自分が一生抱えることになる“自分の心の記録”を、できるだけ苦しくしない選択へ導いていました。

母のためではなく、相談者の未来のために、という順番です。

高齢の母との関係を振り返りながら、少し気持ちが整理されつつある50代後半女性が静かに遠くを見つめている様子

■「距離の取り方」の大切さ

最後に柴田理恵さんが、相談者の声の変化に触れながら、「後悔しないように」という先生の言葉を胸に置いて進めてください、と結びました。

相談者はまだ納得しきれていない部分もありそうでしたが、それでも、考える材料を受け取った時間だったと思います。

私がここでそっと補足するなら、向き合い方には濃淡があっていい、ということです。

介護は「全部背負う」か「全部捨てる」かの二択になりやすいのですが、現実はその間に広い道があります。

生活の安全を整えることと、心のサンドバッグになることは別です。

必要な支援を使い、できる範囲を決め、近づきすぎない工夫をする。

そうやって距離を取ることは、冷たさではなく、関係を壊し切らないための方法でもあります。

■まとめ:親子の傷と、これからの人生の選び方

今回の相談から見えるテーマは、親子関係の傷が年齢を重ねても消えないこと、そして介護という現実が、その傷を再び開かせることです。

幼少期の否定や差別、守られなかった経験は、「親だから」で上書きできません。

大原敬子先生は、母の孤独や夫婦関係の影を手がかりに、母の行動を“理解の対象”として見せました。

ただし、許すことを強要せず、感情を変えるのではなく、未来の後悔を減らす行動を勧めた。その軸は終始ぶれませんでした。


自分の人生が穏やかになる選択を重ねることが、結果として後悔を小さくする

私は、今回の助言はそこに尽きるように感じます。

親子の問題は、正解よりも「自分が自分を責めずに済む道」を探すことが、いちばん現実的なのかもしれません。


放送はこちらから視聴できます

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

人は誰かの悩みや言葉に触れたとき、ふと自分の心が揺れていることに気づくことがあります。

その小さな揺れは、これからの自分を整える大切な“サイン”なのかもしれません。

もし今、胸の奥にそっと抱えている思いがあり、「どこかに話してみようかな」と感じている方がいらっしゃれば、いくつかの相談先をここに置いておきます。

どれが正しいということはありません。

今のあなたに合う形を、静かに選んでいただければ十分です。

◆ テレフォン人生相談に相談してみたい方へ

寄り添って話を聴いてもらいたいとき、人生経験の深い回答者の言葉に触れたいとき──

テレフォン人生相談は、長い歴史の中で多くの方の迷いを受け止めてきた相談先です。

番組という特性上、相談内容が“広く届けられる形”になることもありますが、その分だけ、そこで得られる言葉には力があります。

▶︎ テレフォン人生相談・相談受付ページ(公式)

◆ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ

テレフォン人生相談のように、限られた時間の中で専門家の言葉を受け取る形が合う方もいれば、

「相談したこと自体が、どこかに伝わってしまうかもしれない」

その不安が先に立って、踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。

このブログでは、そうした気持ちを抱えたままでも選べる、誰にも知られず、心の内をそっと預けられる相談先もまとめています。

無理に利用する必要はありません。


ただ、自分に合う距離感の相談先が他にもあるということを、必要になったときに思い出していただければ十分です。

▶︎ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ

◆ 言葉にしきれない思いを、静かに整理したいときに

誰かに直接相談するほどではないけれど、頭の中や胸の奥に、まだ整理しきれていない思いが残っている──そんなときもあるかもしれません。

「何が不安なのか」「どこで引っかかっているのか」それをはっきりさせるだけで、気持ちが少し落ち着くこともあります。

最近は、名前を明かさず、顔も出さず、今の状況や気持ちを言葉にするだけで、第三者の視点を受け取れるサービスもあります。

答えを決めてもらうためではなく、自分の気持ちを整理する“きっかけ”として、こうした選択肢があることも、そっと置いておきます。

▶︎ 今の気持ちを、静かに整理してみたい方へ


どの道を選んだとしても、それは “自分を大切にした証” だと思います。

またゆっくりとお会いできますように。

──悟(さとる)

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