母子登校が続く息子は不安障害?離れられない理由と家での対処法

母子登校に悩みながらも気持ちを整理し、窓の外を静かに見つめる40代女性のイラスト

2025年12月4日(木)テレフォン人生相談
パーソナリティ:柴田理恵さん
回答者:大原敬子先生(幼児教育研究)


こんにちは、悟(さとる)です。

本日はテレフォン人生相談から、母から離れられなくなった小学生の息子と、母子登校を続ける母親の悩みです。


家の中の数分でさえ後を追われる日々が続くと、心は休まりません。

一方で、無理に引きはがせば余計に怖がらせてしまうのではないか。

そんな迷いの中で、親は「正しい距離」を探し続けます。

今回は、その距離の測り方を、静かにたどっていきます。

■不安が強まった“きっかけ”が見えない苦しさ

相談者は39歳の女性。

夫は42歳、子どもは10歳の娘と8歳の息子がいます。

悩みの中心は、息子の不安の強さでした。


息子は母親の姿が見えなくなると強く動揺し、家の中でもついてきます。

ゴミ捨てや新聞を取りに行くような、ほんの数分ですら一人で待てない状態です。

相談者がとくに辛いのは、「なぜここまで変わったのか」がはっきりしない点です。

息子は幼稚園のころから小学校2年生までは、基本的に一人で登校できていました。

それが約10か月前から急に崩れたように見える。


原因が見えないと、対処も定まらず、親は自分を責めやすくなります。

もっと早く気づけたのではないか。

何か決定的な失敗をしたのではないか。

そうした問いが頭の中で回り続けます。

さらに、学校の場面では「母がいると甘える」ようにも感じられます。

教室に一緒にいると、先生の声掛けに反応が薄くなったり、母に視線を投げて助けを求めたりする。

すると今度は、母がいること自体が良くないのでは、と不安になる。


「そばにいること」と「成長を妨げること」が同一に見えてしまうのが、この悩みの難しさです。

■母子登校を選んだ背景に、姉の経験が重なる

この家庭では、娘もかつて母子登校の時期がありました。

ただ、娘はその後、一人で通えるようになっています。


ここが、相談者の中で複雑な地点です。

娘が乗り越えたから、息子もいずれは、と思いたい。

一方で、同じ道をもう一度たどっている現実に、疲れも焦りも積み重なります。

母子登校は、外から見ると「甘やかし」に見えやすい行動です。

しかし、当事者にとっては、毎朝が判断の連続です。

今日は押しても大丈夫か、それとも崩れてしまうのか。

学校に着いたあと、どこまで離れてよいのか。


相談者は、息子の支援級での活動が中心になった今も、学校での距離の取り方が定まりません。

そばにいれば落ち着くが、そばにいると甘えが強くなる。

その板挟みが、心身を削っていきます。

ここで大切なのは、母子登校をしていること自体を「良い/悪い」で裁かないことです。

今は家族が、息子の不安を受け止めながら生活を回している途中にいます。

途中である以上、揺れが出るのは自然です。

■大原敬子先生の助言:甘えを否定せず、生活力へつなぐ

白い窓辺に差し込むやわらかな光と、静かに置かれた鉢植えやグラスがつくる落ち着いた情景のイラスト

大原敬子先生は、まず相談者の関わりを受け止めます。

子どもが母を求めること自体を、異常として切り捨てない。

とくに男の子は母親への安心感が強く出やすく、心細さを「行動」で表しやすい、という見立ても示されます。


ここでのポイントは、甘えをゼロにするのではなく、甘えがある状態でも日常が育つ道を探すことです。

先生の話は、学校の対応だけに焦点を当てません。

むしろ家庭の時間に光を当てます。

食事、お風呂、会話、そうした毎日の場面が「安心の器」になっているかどうか。


安心は、特別な励ましよりも、日々の同じリズムの中で育ちやすいからです。

親子の関係が緊張で固まると、子どもは“確認”を増やします。

ついてくる、呼ぶ、見に来る。そうして安心を確かめようとします。


家庭の時間を「確認の場」から「満たされる場」へ少しずつ移す

それが先生の提案の核だと感じます。

先生は、食事をただ済ませるのではなく、落ち着いて同じ時間を共有することの意味を語ります。

会話も、説得や問い詰めではなく、出来事を一緒に味わう方向へ。

お風呂も、安心して笑える時間として使う。


これらは一見すると遠回りに見えます。

けれど、不安の強い子どもにとっては「いま、ここは安全だ」という体感が、先に必要になります。

体感が育つと、次に“少しだけ離れても大丈夫”が芽生えやすくなるからです。

■「比較」と「焦り」が親の心を追い詰めるとき

相談者は、学校での息子の様子を見て「自分がいるから甘えるのでは」と感じています。

この視点は、とても誠実です。

ただ同時に、誠実さは自責と結びつきやすい。


周りの子はできているのに、うちはできない。

姉はできるようになったのに、息子はまだ。

そうした比較が積み重なると、親の声は知らず知らず硬くなります。

硬い声は、子どもの不安を刺激します。

すると子どもはさらに確かめに来る。

親はさらに疲れる。悪循環が回り始めます。

大原先生の助言は、この循環を断ち切る方向にありました。

焦りを材料にしないこと。状況を「矯正」しようとしすぎないこと。


親ができるのは、毎日を丁寧に整えることです。

息子が不安を言葉にできないなら、生活の中で安心を“受け取れる形”にして手渡す。

その積み重ねが、結果的に自立へつながる、という発想です。

もちろん、学校での距離の取り方は簡単ではありません。

離れる練習が必要な日もあれば、今日は一緒にいた方がよい日もある。

行ったり来たりは、むしろ回復の過程で起こりやすい揺れです。


揺れを「失敗」にせず、データとして受け止める。

今日はどの場面で不安が強かったか。

どの場面では落ち着いていたか。

親が静かに観察できると、子どもも少しずつ静かになります。

■まとめ:不安を消すより、安心が育つ土台を作る

母から離れられない息子の姿は、親にとって切実です。

とくに母子登校が続くと、「いつまで」と「どうすれば」が頭の中を占めます。

けれど今回の相談は、答えを急がず、日々の関わりを整える方向へ視線を戻してくれました。

息子が求めているのは、わがままの実現というより、安心の確認です。

その確認が、家庭の時間の中で少し満たされていくと、学校での離れ方も変化しやすくなります。


そして、親の側が比較や焦りから距離を取れたとき、子どもは「追いかけなくても大丈夫かもしれない」という感覚を持ちやすくなります。

不安を消すことより、安心が育つ毎日を続けることが、いちばん確かな近道なのだと思います。


読んでいるあなたの家庭にも、似た揺れがあるなら、まずは今日の暮らしの中で“落ち着ける時間”を一つだけ増やしてみてください。

それだけでも、状況は静かに動き始めます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

人は誰かの悩みや言葉に触れたとき、ふと自分の心が揺れていることに気づくことがあります。

その小さな揺れは、これからの自分を整える大切な“サイン”なのかもしれません。

もし今、胸の奥にそっと抱えている思いがあり、「どこかに話してみようかな」と感じている方がいらっしゃれば、いくつかの相談先をここに置いておきます。

どれが正しいということはありません。

今のあなたに合う形を、静かに選んでいただければ十分です。

◆ テレフォン人生相談に相談してみたい方へ

寄り添って話を聴いてもらいたいとき、人生経験の深い回答者の言葉に触れたいとき──

テレフォン人生相談は、長い歴史の中で多くの方の迷いを受け止めてきた相談先です。

番組という特性上、相談内容が“広く届けられる形”になることもありますが、その分だけ、そこで得られる言葉には力があります。

▶︎ テレフォン人生相談・相談受付ページ(公式)

◆ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ

テレフォン人生相談のように、限られた時間の中で専門家の言葉を受け取る形が合う方もいれば、

「相談したこと自体が、どこかに伝わってしまうかもしれない」

その不安が先に立って、踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。

このブログでは、そうした気持ちを抱えたままでも選べる、誰にも知られず、心の内をそっと預けられる相談先もまとめています。

無理に利用する必要はありません。


ただ、自分に合う距離感の相談先が他にもあるということを、必要になったときに思い出していただければ十分です。

▶︎ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ

◆ 言葉にしきれない思いを、静かに整理したいときに

誰かに直接相談するほどではないけれど、頭の中や胸の奥に、まだ整理しきれていない思いが残っている──そんなときもあるかもしれません。

「何が不安なのか」「どこで引っかかっているのか」それをはっきりさせるだけで、気持ちが少し落ち着くこともあります。

最近は、名前を明かさず、顔も出さず、今の状況や気持ちを言葉にするだけで、第三者の視点を受け取れるサービスもあります。

答えを決めてもらうためではなく、自分の気持ちを整理する“きっかけ”として、こうした選択肢があることも、そっと置いておきます。

▶︎ 今の気持ちを、静かに整理してみたい方へ


どの道を選んだとしても、それは “自分を大切にした証” だと思います。

またゆっくりとお会いできますように。

──悟(さとる)

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