テレフォン人生相談 2025年11月14日 金曜日
パーソナリティ:田中ウルヴェ京
回答者:三石由起子(三石メソード主宰、作家・翻訳家)

こんにちは、悟(さとる)です。
本日はテレフォン人生相談から、夫の浮気が繰り返され、離婚も頭をよぎるのに現実が重くて決めきれない女性の悩みです。
「もう無理」と思うほど傷ついたのに、明日の通院や食事の支度は待っている。
怒りと生活が同じ部屋にあると、気持ちはどこにも逃げ場がなくなります。
今日の回は、正しさで相手を追い詰めるのではなく、自分の暮らしと心を守るために“線を引き直す”話でした。
■発端は単身赴任中の不貞、そして繰り返し
相談者は36歳の女性。
夫は39歳、結婚8年で、小学生の息子が二人います。
夫の不貞に気づいたのは結婚当初、夫が単身赴任をしていた時期でした。
発覚したのは約6年前で、当時夫は「別れたくない」と言い、いったん家庭に戻ってきたそうです。
最初の半年ほどは、反省しているようにも見えました。
ところが時間が経つにつれ、女性関係の影は消えず、相談者は「ちょこちょこあった」と表現します。
疑いが積み重なるほど、夫婦の間にある日常の温度は下がっていきます。
■子どもの病気と経済的な現実が、決断を難しくする
相談者には、息子二人の病気があり、ケアのために常に目を離せない状況があると言います。
育休後に復職を試みたものの難しく、最終的に仕事を辞めました。
家計は夫の収入に頼らざるを得ず、生活費は夫が全て出している状態です。
裏切られた痛みと、生活を支える現実が同時に存在すると、「離婚する・しない」の二択が急に重く感じられます。
心は拒否しているのに、暮らしは夫の収入で回っている。
相談者が揺れるのは当然だと思います。
■携帯の発覚と逆切れ、半年続く“帰らない時間”
半年前、夫が携帯電話をつけたまま寝ていたことから、複数の女性と頻繁に連絡を取っている様子が見えたそうです。
夜の店の女性とのやり取りもあり、相談者が相手に連絡を取ったところ「付き合っていると思っていたが、付き合おうと言われたわけではない」といった話が返ってきたといいます。
それでも夫は認めず、謝るより先に強く否定し、逆切れのような態度を取る。
ここで相談者の中の糸が切れ、「顔も見たくない」と感じるほどになりました。
夫はその後、約1か月家に戻らない時期がありました。
子どもの大事な行事の頃に一度戻ったものの、関係は改善しません。
相談者が寝不足で看病している最中に、夫が「ジムに行っていいか」と言ったことで、相談者は思わず「無責任では」と口にします。
夫はその言葉に強く反発し、それ以降、誕生日や行事など限られたタイミングでしか帰宅しない状態が半年ほど続いている、という流れでした。
■三石由起子の助言:離婚を急がず、条件を先に整える
三石由起子さんは、相談者が今すぐ離婚に踏み切るタイプではない、とまず見立てます。
理由の中心にあるのは、子どもの病気という現実です。
子どもの心配を本気で共有できるのは、基本的に両親であり、相談者と同じ重さで背負える可能性があるのは夫しかいない。
そこで、感情だけで結論を急がないように促しました。
ここで大切なのは、我慢を美徳にすることではなく、生活の条件を崩さずに選択肢を増やすことです。
離婚を選ぶにしても、選ばないにしても、相談者が孤立しない形を先に作る。
その順番を間違えないように、という助言に聞こえました。
■「嘘を正す」戦いから降りるという提案
夫が認めないことは、相談者にとって二重の痛みです。
裏切りそのものに加えて、事実をねじ曲げられる感覚が残ります。
三石さんは、ここをあえて別の角度から言い換えます。
夫は優しいから嘘をつくのだ、と。
もし開き直られて「本気で好きだ」と言われたら、相談者はもっと傷つく。
だから、形だけでも否定しているのなら「ありがとうございます」と捉えてみてはどうか、とまで語りました。
すぐに受け入れにくい言葉です。
ただ、ここでの主眼は、嘘を暴くことに人生を吸い取られないための視点転換です。
真実を勝ち取っても、相談者の暮らしがそのまま崩れるなら、勝利は相談者を救いません。
まず自分を守るために、戦う場所を選び直す。静かな現実主義がありました。
■責任の線引き:否定ではなく“生活を守る整理”へ
三石さんが繰り返したのは「責任」という言葉でした。
夫の側の感覚では、生活費を出している以上、責任は果たしている。
だから「無責任」と言われると、夫は強く反発しやすい。
ここを、家計を整える話に変換すると見えやすくなります。
今、家の土台であるお金は回っている。
そこでいきなり「全部ダメ」と判定してしまうと、子どもの治療や日々の暮らしが先に立ち行かなくなる。
信頼の問題と、生活の問題は同じ棚に置かない。
まずは生活の棚を倒さないように支え、次に相談者が動ける余地を増やす。
三石さんの言う線引きは、そうした整理の仕方でした。
相手を裁く言葉より、自分の生活を守る言葉を優先する。
それが「否定」より「改善」へという方向に繋がります。

■会話ができない相手には、入口を小さくする
相談者は、夫に着信拒否をされ、連絡が思うように取れないとも話していました。
相手が向き合う姿勢を見せないとき、正論で扉を叩いても、音だけが虚しく返ってくることがあります。
三石さんが提案したのは、正面衝突を避けて入口を小さくすることでした。
たとえば「話し合いをしよう」と重い言葉を投げる代わりに、「たまには食事でもどう?」と短い誘いを手紙で伝える。
返事がなくても、こちらが崩れない形で投げる。
相手の反応を変えるというより、相談者の消耗を減らすための工夫です。
相手が変わらないとき、こちらが変えられるのは、接触の仕方と距離感です。
ここを整えるだけでも、日々の緊張は少し下がります。
■怒りを抱えたままでも、暮らしは整えられる
裏切られた気持ちは、簡単に消えません。
消そうとしても、むしろ深く残ることがあります。
それでも家の中には、子どもの薬、学校の連絡帳、洗濯物、食事の用意が並びます。
相談者が求めていたのは、感情の解決より先に、生活の安全でした。
だからこそ「家計が回っている」という事実を、悔しさと切り離して見てよいのだと思います。
夫の行為を肯定しなくても、生活の棚を倒さないという判断はできます。
生活が守られれば、相談者は少しずつ体力を取り戻し、未来の選択肢を増やせます。
そして、その選択肢が増えたときに初めて、「続ける」も「終える」も、相談者の手に戻ってきます。
■子どもにとっての安心を、夫婦の争いと分けて考える
子ども二人が病気を抱えている状況では、家の空気は子どもの体調にも影響しやすくなります。
夫婦の関係が荒れるほど、子どもは敏感に察し、無意識に緊張を抱えます。
この回で印象的だったのは、「夫婦の正義のぶつけ合い」よりも、「子どもの安心を先に守る」という順番でした。
夫への怒りは自然な反応です。
ただ、その怒りを使う場面と、使わない場面を分ける。
家の中では静けさを保ち、外で支援先や相談先を増やす。
そうした分離が、結果として家族全体を守ります。
■田中ウルヴェ京の補足:離婚は“戦略”として準備する
パーソナリティの田中ウルヴェ京さんは、離婚という選択肢を否定しません。
ただし今の条件では、感情で決めるのではなく、5年・10年の計画で準備する必要がある、と示唆しました。
収入や支援の手を増やし、子どもを支える基盤を整えた上で、初めて自由に選べるようになる。
どちらに進むにしても、今は「夫を見る目を変える」ことが共通の一手だ、と締めます。
夫が生活費を担っている事実を、悔しさと切り離して確認する。
そこから始めると、相談者の心のエネルギーが少し残りやすくなる。
そんな意図が感じられました。
■まとめ:正しさの勝負より、あなたの暮らしを守る線を
今回の相談は、夫の不貞への怒りだけでなく、子どもの病気、経済的な依存、話し合いが成立しない現実が重なり、身動きが取れなくなる苦しさが中心にありました。
三石由起子さんの助言は、裏切りを許す話ではありません。
まず生活の土台を守り、信頼の問題とは棚を分けて、相談者が動ける余白を作る話でした。
田中ウルヴェ京さんの言うように、離婚を選ぶとしても“準備”が必要なら、今は心を削る戦い方をやめ、線を引き直すことが第一歩になります。
私は、夫婦の問題は「正しいかどうか」だけでは片づかないと思っています。
暮らしが続く以上、今日の夜をどう越えるかが先に来る日もある。
そんなとき、あなたがあなた自身を守れる形を、静かに選んでいただければ十分です。
放送はこちらから視聴できます
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
人は誰かの悩みや言葉に触れたとき、ふと自分の心が揺れていることに気づくことがあります。
その小さな揺れは、これからの自分を整える大切な“サイン”なのかもしれません。
もし今、胸の奥にそっと抱えている思いがあり、「どこかに話してみようかな」と感じている方がいらっしゃれば、いくつかの相談先をここに置いておきます。
どれが正しいということはありません。
今のあなたに合う形を、静かに選んでいただければ十分です。
◆ テレフォン人生相談に相談してみたい方へ
寄り添って話を聴いてもらいたいとき、人生経験の深い回答者の言葉に触れたいとき──。
テレフォン人生相談は、長い歴史の中で多くの方の迷いを受け止めてきた相談先です。
番組という特性上、相談内容が“広く届けられる形”になることもありますが、その分だけ、そこで得られる言葉には力があります。
◆ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ
テレフォン人生相談のように、限られた時間の中で専門家の言葉を受け取る形が合う方もいれば、
「相談したこと自体が、どこかに伝わってしまうかもしれない」
その不安が先に立って、踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
このブログでは、そうした気持ちを抱えたままでも選べる、誰にも知られず、心の内をそっと預けられる相談先もまとめています。
無理に利用する必要はありません。
ただ、自分に合う距離感の相談先が他にもあるということを、必要になったときに思い出していただければ十分です。
→ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ
どの道を選んだとしても、それは “自分を大切にした証” だと思います。
またゆっくりとお会いできますように。
──悟(さとる)


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