
こんにちは、悟(さとる)です。
今回は、テレフォン人生相談2025年10月23日(木)分から、夫の不倫と嘘に翻弄される女性のご相談です。
パーソナリティーは柴田理恵さん、回答者は野島梨恵(弁護士)さんでした。
突然の裏切りを突きつけられたとき、人はどう立ち向かえばいいのでしょうか。
心が傷つき、怒りと悲しみが入り混じる中で、弁護士・野島梨恵さんが、現実的かつ冷静な視点から道を示します。
信じていた人を信じられなくなったとき――それでも前を向くための一歩を、一緒に考えてみましょう。
夫の告白から始まった崩壊
相談者は39歳の女性。5歳の長男と実家で暮らしています。
夫(同じく39歳)は海外赴任中で、生活の大半を離れて過ごしていました。
ところがある日、夫から思いもよらない告白を受けます。

「実は1年間付き合っている女性が妊娠4ヶ月なんだ。その彼女の責任を取りたい。君とは離婚したい」
青天の霹靂でした。
相談者は混乱しながらも、「とにかく帰ってきて」と夫に告げ、帰国を受け入れます。
しかし、帰国後に夫のスマートフォンを確認すると、出会い系アプリで複数の女性とやり取りをしていた事実が発覚しました。
「妊娠した彼女の兄がギャングで脅されていた」など、荒唐無稽な説明が続き、何が真実なのか分からない状況。
夫は「うつ病になった」とも話し、「離婚したい」「もう会いたくない」と言葉を繰り返しました。
相談者が慰謝料や養育費を請求しようとすると、夫は「前に“好きなものを買っていい”と言っただろう。それでチャラだ」と開き直る始末。
裏切りと嘘、そして責任回避――。相談者の心は、疲れ果てていました。
弁護士・野島梨恵さんの助言:感情より現実を
まず「事実を切り分ける」冷静さを
野島弁護士は、最初にこう指摘しました。
「まず、感情ではなく“事実”を整理することが大切です」
夫の言葉の多くは、根拠のない“逃げ口上”の可能性が高い。
「妊娠4ヶ月」「ギャングの兄」「うつ病」という要素は、同情や混乱を引き起こすためのものに過ぎないかもしれません。
今すべきは、真偽の確認と証拠の確保です。

たとえば、スマートフォンのメッセージ履歴、出会い系アプリの利用履歴、送金・出費記録、妊娠に関するやり取りなどを、冷静に記録しておくこと。
これらは後に「不貞行為の証拠」として、慰謝料請求の大切な根拠になります。
「好きなものを買っていい」では慰謝料にはならない
「好きなものを買っていい」という曖昧な言葉を、慰謝料の代わりにすることはできません。
野島弁護士ははっきりと断言します。
「慰謝料とは、法律に基づいて支払われる損害賠償金です。正式な合意書や支払い証拠がない限り、“口約束”は無効です。」
一般的に、不倫が原因の離婚で請求できる慰謝料は、100万円〜300万円程度が相場です。
不倫相手にも慰謝料を請求できる場合があり、その際は「夫婦関係が破綻していなかったこと」が前提となります。
証拠の有無が金額に直結するため、記録を残すことが最も重要です。
養育費と親権――生活を守るために
離婚を選ぶ場合、次に考えるべきは「養育費」と「親権」です。
養育費は子どもが成人するまで支払われるもので、金額は夫の収入によって決まります。

たとえば、年収500万円の父親なら、月額4〜6万円程度が目安です。
また、親権は母親が得るケースが多いものの、夫が「精神疾患」や「不安定な収入」を理由に争ってくることもあります。
そのため、安定した生活環境を示せるよう、実家の支援体制や子どもの生活記録も整えておくと安心です。
「子どものために一時的に離婚を保留し、養育費の取り決めを先に行うこともできます」と野島さんは補足します。
離婚届を急いで出す前に、条件を一つひとつ書面で固めておく――それが、長期的な安定につながります。
「離婚届の不受理申出」という防衛策
夫が勝手に離婚届を提出してしまうリスクに備え、市区町村に「離婚届不受理申出」を出しておく方法もあります。
これを提出しておけば、あなたの同意がない限り離婚は成立しません。
たった一枚の書類ですが、自分と子どもを守るための大切な盾になります。
「今すぐ離婚」よりも「今の生活を守る」
野島弁護士は、最後にこう締めくくりました。
「感情で動くのではなく、現実を整えることを優先してください。いまは“離婚を急がず、給与を運んでくる人”と考えていいんです。」
冷たいようでいて、非常に現実的なアドバイスです。
離婚を急げば、慰謝料も養育費も不利な条件で終わってしまう可能性があります。

まずは経済的な安定を確保し、次に自分の生活を立て直す。
その上で、法的に正しい形で離婚へ進むこと。
それが、相談者にとって最も“賢い戦い方”なのです。
まとめ
夫の嘘と裏切りに苦しむ中で、それでも冷静に行動する。
相談者の姿には、母として、そして一人の人間としての強さがにじんでいました。
野島弁護士の言葉は、感情を抑え込む冷たさではなく、「現実を味方につける知恵」でした。
裏切りの痛みを経てこそ、人は新しい自分の生き方を見つけられるのかもしれません。
放送はこちらから視聴できます⇩
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
人生に正解はありませんが、誰かの悩みを知ることで、自分の心が少し楽になったり、新しい考え方に気づけることもあります。
このブログが、読んでくださった方の「明日を生きるヒント」になれば嬉しいです。
またぜひ遊びに来てくださいね。
以上、悟(さとる)でした。


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