
こんにちは、悟(さとる)です。
日々寄せられる相談には、家族のこと、夫婦のこと、仕事やお金の不安など、誰もがどこかで直面しうる現実が静かに映し出されています。
今回は、複数の相談事例を通して、専門家が伝えたエッセンスを落ち着いて整理しました。
わたしはナビゲーターとして、できるだけ感情に寄り添いながら、事実と助言を丁寧にたどっていきます。
どうぞ肩の力を抜いて読み進めてください。
高校生の息子が「できなくなっていく」——母の苛立ちと家族のコミュニケーション
相談の概要
母(44歳)からの相談。17歳の息子がここ2年半ほどで日常の動作が極端に遅くなり、起床も困難、衛生面の乱れ、帰宅時間の遅れが目立つようになった。
ときに「憔悴しきっている」ような様子で、食事もこぼす。注意すると反発が強く、母もイライラが募り口論に。
受診は持ちかけたが頓挫。
専門家の助言の要点
幼児教育の専門家は、まず母の「言葉のしつこさ」と「楽をして言葉だけで子育てしてしまう」癖を指摘。
子は「心のひだ」に気づいてほしいサインを出している可能性があるとし、具体的な行動の変更を提案した。
たとえば、夜の帰宅時間は感情的な叱責ではなく、具体の「ルール」を玄関で待って可視化する。
朝は壁を叩いて起こすといった恐怖刺激を避け、親が優しく起こす。
さらに、母自身の「夫への依存の代替として息子に甘えを向けている」可能性に触れ、親の内的課題と向き合う必要性を示した。
医師の立場からは、もし中学までは通常で高校から急変したという事実があるなら、慢性硬膜下血腫など身体的要因の除外も一度しておくべきだと補足。
医学的評価で器質的問題が否定されたなら、生活リズムと家庭内コミュニケーションの再構築が要点になる。
受け止めのポイント
子どもの乱れだけに焦点を当てると対立が深まる。
時間・帰宅・起床といった「見える約束」を共有し、親は行動で支える。
医療の扉は早めに叩き、家庭内では「不安の翻訳者」としての姿勢を保つことが大切だと整理できる内容だった。
兄弟が同居し、借金とトラブルが連鎖——「構造」を変える発想
相談の概要

母(55歳)。
次男(26歳)は都会での生活から帰郷後、万引きで執行猶予中。
長男(28歳)も金銭問題があり、二人は同じ部屋で同居。
家計は退職金と年金などで不安定、家庭内の雰囲気は悪化。
専門家の助言の要点
弁護士は、感情の問題だけではなく「構造上の問題」を強調。
まず同室を解消するなど物理的距離をとり、争点を減らす。
長男が復縁見込みなら早めに生活基盤を別にし、同居の火種を小さくする。
次男については、執行猶予中は再犯が直結して重い実刑につながる可能性が高い。
犯罪は突発的・経済的動機と結びつきやすく、まず生活と感情の安定が再犯防止の鍵。
地域の相談資源や信頼できる第三者の関与も視野に入れるべきだと伝えた。
受け止めのポイント
「誰が悪いか」より先に、環境を区切る、役割を分ける、支援機関を入れる——そんな段取りの設計が、家族の消耗を減らしやすい。
罰と叱責だけでは回復が難しい現実を直視することが促された。
13年のセックスレスと「愛の不可逆性」——努力の方向を取り違えない
相談の概要
妻(56歳)。夫(44歳・外国籍)と子ども1人。
出産以来13年間セックスレス。
夫は「夫婦としてのメリットがない、フェアでない」と別居希望。
妻は将来不安から婚姻継続を望み、ここ1か月半性交渉に応じたが、夫は「何も感じなかった」とし、関係継続に否定的。
専門家の助言の要点
弁護士は、セックスは多くの男性にとって「愛と結びつく重要な体験」であり、形だけの提供では愛は回復しないと明言。
「私は我慢して提供する」ではなく、「なぜ相手が愛を感じられないのか」を起点に考える必要がある。
すでに「愛は感じられない」と宣言されている場合、相手の気持ちを尊重して話し合いを重ね、現実的選択(関係の再定義や別居・離婚の検討を含む)に進むための誠実な対話が求められる。
受け止めのポイント
「与えれば戻る」は通用しない段階がある。
愛の回復は、相手の主観に根差す。無理な継続は双方の尊厳を傷つける恐れがあり、率直な対話と合意形成が現実的な道筋として示された。
事実婚関係を終える決断と持ち家の扱い——「誰の資金で何を買ったか」
相談の概要
71歳女性。事実婚様の関係11年、同居はせず相手の農業を手伝ってきた。
自宅を購入する際、自分が400万円、相手が50万円を出し、残りは女性名義でローン(500万円と200万円の二本立て)。
500万円分が完済間近で関係を解消したい。
相手から金銭請求を受けるのではと不安。
専門家の助言の要点
弁護士は、名義が女性単独で、頭金の大部分とローン返済を女性が担ってきた事実から、実質も女性の所有と評価しうると説明。
相手の50万円は贈与として扱っても不自然ではない金額で、通常は大きな権利主張に結びつきにくい。
農業関連の連帯保証がないなら、別れに伴う法的リスクは高くないと整理した。
受け止めのポイント
不安の焦点は「名義」と「資金の出所」。契約・返済の実態を冷静に確認することが、過剰な恐れを鎮める近道になる。
感情と所有の問題を分けて考える大切さが伝わった。
50代での転身と生活再設計——まず「心身の安全」を確保する
相談の概要

52歳男性。
会社員を退職し内装職人の見習いへ。
近時仕事が途絶え、住宅ローン等の支払いに窮し、実家に戻る案を検討。
心身の限界も自覚。
専門家の助言の要点
専門家は、まず睡眠と体調の回復を優先し、判断力を取り戻すことを勧めたうえで、実家に一時避難し生活コストを落とす選択を肯定。
仕事の有無だけでなく、長年の心の痛み(承認欲求や未解決の感情)にも触れ、環境を変えて支えを得ることが回復の土台になると示した。
受け止めのポイント
「踏ん張る」前に安全地帯を確保する。
暮らしの固定費を下げ、支援を受けながら体力・判断力を立て直すことが、中長期の再起を現実にする。
63歳・長男との断絶——依存と支配を手放す
相談の概要
63歳女性。
夫は8年前に他界。
長男とは3年ほど音信不通で、言葉のぶつかり合いが続いた。
関係修復を望むが踏み出せない。
専門家の助言の要点
医師は、成人し家庭を持った子は「親戚」に近い距離感へ移ると捉え直し、母自身の生活充実を優先する視点を示した。
別の専門家は、母の「長男への依存」と「思うようにしたい支配欲」が非言語的メッセージとして伝わり、長男を傷つけてきた可能性を指摘。
謝罪と関係の再定義を前提に、期待を手放した対話からやり直すことを勧めた。
受け止めのポイント
「わたしが頼っていた」事実に気づくことが関係修復の第一歩。
会う・会わないの選択権を尊重しつつ、負荷のない連絡から信頼を積み直す。
ひとり身の終活——遺言・遺言執行者・祭祀承継という選択肢
相談の概要
66歳男性。
身寄りはなく、長年お墓参りを助けてくれる知人に死後事務や埋葬を頼みたい。
市民相談で「遺言メモ」を勧められたが、法的な整え方を知りたい。
専門家の助言の要点
弁護士は、葬儀・埋葬の希望は遺言に記載可能で、確実性を高めるには「公正証書遺言」と「遺言執行者」の指定が有効と解説。
お墓・仏壇の承継は「祭祀承継者」を遺言で指定する手法がある。
知人に頼むなら事前合意が不可欠で、体調等で動けない可能性も踏まえ、専門職を遺言執行者に選ぶ案や、報酬・費用の原資の明記も提案された。
受け止めのポイント
善意に甘えない。
お願いする人・内容・費用・手続きを遺言で具体化し、関係者と事前に合意しておくことが、望む最期を叶える鍵になる。
闇金の連鎖を止める——「払わない」を徹底するための一手
相談の概要

75歳男性。
56年前に5万円を2回借り、元金は返済済みのはずだが、月1万円(冬は2万円)の取り立てが続く。
仲介女性を介した高利貸しで、怖さから支払いをやめられない。
専門家の助言の要点
弁護士は、貸金業法違反の闇金であり、まず法テラスに相談して弁護士からの受任通知を出すことを推奨。
通知後も業者が迫る場合があるが、以降は「一切払わない」を貫くことで採算が合わなくなり自然と退く、と具体的な行動指針を示した。
交通費相当でも払えば「払う客」と認定され連鎖が続くため、断固たる対応が重要。
受け止めのポイント
法の後押しを受け、支払いの習慣を断ち切る。
「少額だから」は禁物で、ゼロを守ることが出口につながる。
まとめ
相談を通して見えてくる共通点は、感情のぶつかり合いでは事態は好転しにくいという現実でした。
時間・ルール・距離・役割・費用——動かせる要素を具体化し、関わる人の合意を少しずつ積み上げること。
医療・福祉・法務など外部資源の力を借りること。
これらが、行き詰まりをほぐしていく最短路なのだと静かに教えてくれます。
そして、親子・夫婦・兄弟といった近しい関係ほど、「依存」と「支配」の影が入り込みやすいもの。
相手の自由を尊重し、こちらの期待を手放す勇気が、新しい会話の扉を開いていきます。

ここまで読んでくださったあなたは、きっと誰かを想い、自分を見つめてこられた方だと思います。
どうか安心してくださいね。今日の言葉のどれかが、あなたの明日にそっと寄り添いますように。
“”“
放送はこちらから視聴できます↓
【テレフォン人生相談 🎙️】 息子が日常的に出来ていたことが出来なくなった。
人生に正解はありませんが、誰かの悩みを知ることで、自分の心が少し楽になったり、新しい考え方に気づけることもあります。
このブログが、読んでくださった方の「明日を生きるヒント」になれば嬉しいです。
またぜひ遊びに来てくださいね。
以上、悟(さとる)でした。


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