テレフォン人生相談 2025年12月5日 金曜日
パーソナリティ: 田中ウルヴェ京
回答者: 野島梨恵(弁護士)

こんにちは、悟(さとる)です。
本日はテレフォン人生相談から、内縁関係を続けた相手に突然去られ、家のローンと犬3匹の医療費だけが残った女性の相談です。
長い時間をかけて築いたはずの関係が、ある日「自由に生きたい」の一言で切られる。
しかも荷物も、犬も、生活の負担も置いたまま。
怒りや悔しさが湧くのは自然です。
けれど、感情を抱えたまま相手を追いかけても、現実が動かないことがあります。
今回のやり取りは、その残酷さと、そこから抜け出すための静かな整理を教えてくれます。
■14年の約束が「電話一本」で終わった日
相談者は53歳。6年前に離婚し子どもはいません。
相手の男性は49歳で同じくバツ1。
交際は14年に及び、彼はトラックの仕事で各地を転々とし、半年に一度ほどしか帰ってこない生活でした。
相談者は「自分も拠点地へ行ける」と提案したものの、彼からは「家に毎日帰るわけではないし、田舎だから来ても仕方ない。家で待っていてほしい」と言われ、待つ選択をしてきました。
「結婚しようね」「籍を入れようね」。
帰ってくるたびに、未来の約束が積み重なる一方で、日常はほとんど一人で回していた。
会える頻度が少ないほど、会えた時間が特別になり、次に会う日までを支えにしてしまう。
相談者の生活には、そうした“待つ時間”が長く横たわっていたように感じます。
ところが約1年前、喧嘩のきっかけもないまま「自由に生きたいから別れてほしい」と告げられます。
直接話し合うために一度帰ってきた際も、理由は「何もない」と言い続け、彼は荷物を持たずに出て行きました。
さらに、彼が連れてきた犬3匹まで置き去りにしました。
相談者の胸に残ったのは、「14年」という時間の重さです。
「時間を返せ」と言いたくなるほど、人生の中心にその関係があった。
返ってくるはずのないものを求めてしまうほど、現実の喪失が大きかったのだと思います。
ここでの苦しさは、相手を失った痛みだけではなく、「自分が信じてきた見通し」が崩れた衝撃でもあります。
■家のローンと犬の治療費、生活が崩れる音
問題は、別れの痛みだけでは終わりませんでした。
相談者が暮らす家は持ち家で、元夫が建てた家だといいます。
相手の男性はその住所に住民票を置くことになり、相談者は両親にも相談して受け入れた経緯がありました。
彼は「家を二人で守ろう」「ローンを支払い続ける」と言い、実際に毎月15万円の入金があった時期もありました。
しかし数か月前、入金が突然止まります。
彼からは「借りていたお金の枠がいっぱいになり、今月は払えない」とメッセージが届きました。
さらに家族カードとして渡されていたクレジットカードも使えなくされ、犬の通院費すら立て替えが難しくなっていきます。
犬のうち一匹は心臓の弁膜症で、手術となれば100万〜200万円規模になる可能性があると相談者は説明します。
自分にも持病があり、働ける時間は限られる。
パート代が犬の医療費に消え、暮らしの余白が削られていく。
「守りたい」と「守れないかもしれない」が同時に押し寄せると、人は判断力を失いやすくなります。
相談者が求めたのは慰謝料というより、崩れかけた生活の床を、もう一度固めるための支えだったのだと思います。
■裏切りが確信に変わる瞬間
相談者は、別れた後に相手のSNSを見て、別れの言葉とは裏腹に女性との繋がりが見えることに気づいた、と語ります。
そこで初めて「自分は要らないと言っていたのに」という矛盾が、現実味を帯びて迫ってきます。
人は、最初から裏切りを疑っていたなら、傷はここまで深くならないことがあります。
けれど長い交際の中で、信じることで均衡を保ってきた場合、後から見えた事実は“積み上げた年月そのもの”を否定するように感じられます。
怒りが大きくなるのは、その分だけ、信じてきた証拠でもあります。
■野島梨恵先生の助言:現実は「取り戻す」より「被害を減らす」
回答の野島梨恵先生は、まず連絡手段と所在の確認から入ります。
彼は電話に出ず、LINEは既読無視。
勤め先は個人事業主で、名前を借りている会社はあるものの、確実な居場所は掴めない。
そこで先生は、拠点地に行き、時間をかけてでも本人を見つけるという、生活の現場に即した道筋を示しました。
そして核心は犬についてです。
先生は、犬の治療費を「お金として取り立てる」より、犬を「飼い主の側へ戻す」方向を勧めます。
遠くても通って本人を捕まえ、「あなたの犬なのだから飼って」と伝え、置いてくるしかない、という厳しい言い方でした。
相談者は、犬の話をすると相手から「保健所に連れて行かれる」と言われたこともあると明かします。
その一言だけでも、相手が“脅し”で主導権を取りにくるタイプであることが伝わります。
だからこそ先生は、説得やお願いではなく、責任を“返す”動きに重心を置いたのだと思います。
慰謝料についても先生は冷静です。
相手には借金が3〜400万円ほどあるという話が出ており、仮に裁判で支払い命令が出ても、払えるお金がないなら回収は難しい。
「無い袖は振れない」現実が先に立つ、という整理でした。
ここで重要なのは、「請求できるか」だけでなく、「回収できるか」という視点です。
請求が可能でも、手続きに時間と費用がかかり、その間に生活がさらに苦しくなるなら、目的から離れてしまいます。
先生が“結論”を急いだように聞こえるのは、相談者の生活の切迫感を見ていたからでしょう。
先生は相談者の悔しさを否定しません。
「同じ立場ならそう思う」と受け止めた上で、時間は返らないのだから、今できることは被害を最小限にすることだと促します。
こだわり続けて時間を失うより、次へ進む方がいい。
痛いほど正論ですが、気持ちが追いつかない時ほど、こうした言葉が“軸”になります。
相談者も、LINEをブロックするなど、関係を断つ動きを始めている様子がうかがえます。

■田中ウルヴェ京さんの一言が示した「守る対象」
最後に田中ウルヴェ京さんは、相談者が口にした「今は犬を守ることしかできない」という言葉を、静かに肯定します。
ワンちゃんを守ろうとする姿勢は素敵なことで、できる限りのことを一生懸命やればいい。
そして、向こうが別れてくれたのだから「良かった」と思うようにしよう、と背中を押しました。
ここで大事なのは、無理に前向きになれ、という話ではない点です。
相談者は気持ちの整理がつかないと正直に言いながら、それでも「守るもの」に意識を向けていました。
関係が壊れた後に残るのは、相手への怒りだけではなく、自分の生活をどう立て直すかという課題です。
そのとき、犬という具体的な存在は、心を現実へ繋ぎ止める錨にもなります。
■まとめ:関係の清算は、感情より先に生活の線引きから
今回の相談のテーマは、恋愛の裏切りというより、生活を巻き込んだ放棄でした。
長く続いた関係ほど、「返してほしい」と思う気持ちは強くなります。
けれど、相手が無責任で、資力もなく、連絡も取りにくいなら、取り戻す行動が自分の時間と体力を削り続けます。
野島先生の助言は、過去の精算よりも、いま残っている負担を減らす方向でした。
生活の立て直しは、派手な逆転ではなく、支払いの見通しを整え、連絡の取り方を決め、守る対象を明確にするところから始まります。
小さくても具体的な手順が、心の混乱を少しずつ静めてくれます。
犬の扱い、連絡手段、回収可能性。感情を横に置き、現実の線を引く。
その順番が、相談者を少しだけ未来へ近づけたのだと思います。
悔しさが消えないままでも、生活を守る選択はできる。
悟としては、そう静かに伝えたいです。
過去を否定せず、ただ、これ以上傷が広がらない形を選ぶ。
その積み重ねが、やがて「自分の人生を取り戻す感覚」へ繋がっていきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
人は誰かの悩みや言葉に触れたとき、ふと自分の心が揺れていることに気づくことがあります。
その小さな揺れは、これからの自分を整える大切な“サイン”なのかもしれません。
もし今、胸の奥にそっと抱えている思いがあり、「どこかに話してみようかな」と感じている方がいらっしゃれば、いくつかの相談先をここに置いておきます。
どれが正しいということはありません。
今のあなたに合う形を、静かに選んでいただければ十分です。
◆ テレフォン人生相談に相談してみたい方へ
寄り添って話を聴いてもらいたいとき、人生経験の深い回答者の言葉に触れたいとき──
テレフォン人生相談は、長い歴史の中で多くの方の迷いを受け止めてきた相談先です。
番組という特性上、相談内容が“広く届けられる形”になることもありますが、その分だけ、そこで得られる言葉には力があります。
◆ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ
テレフォン人生相談のように、限られた時間の中で専門家の言葉を受け取る形が合う方もいれば、
「相談したこと自体が、どこかに伝わってしまうかもしれない」
その不安が先に立って、踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
このブログでは、そうした気持ちを抱えたままでも選べる、誰にも知られず、心の内をそっと預けられる相談先もまとめています。
無理に利用する必要はありません。
ただ、自分に合う距離感の相談先が他にもあるということを、必要になったときに思い出していただければ十分です。
▶︎ 誰にも知られず、心を預けられる相談先を探しているあなたへ
◆ 言葉にしきれない思いを、静かに整理したいときに
誰かに直接相談するほどではないけれど、頭の中や胸の奥に、まだ整理しきれていない思いが残っている──そんなときもあるかもしれません。
「何が不安なのか」「どこで引っかかっているのか」それをはっきりさせるだけで、気持ちが少し落ち着くこともあります。
最近は、名前を明かさず、顔も出さず、今の状況や気持ちを言葉にするだけで、第三者の視点を受け取れるサービスもあります。
答えを決めてもらうためではなく、自分の気持ちを整理する“きっかけ”として、こうした選択肢があることも、そっと置いておきます。
どの道を選んだとしても、それは “自分を大切にした証” だと思います。
またゆっくりとお会いできますように。
──悟(さとる)

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