34年の不倫を認めぬ夫と、静かに決意した妻

テレフォン人生相談

2025年10月25日(土)
パーソナリティ:加藤諦三
回答者:大迫恵美子(弁護士)


こんにちは、悟(さとる)です。

長く連れ添った夫婦でも、心がすれ違う瞬間はあります。


それが何十年という歳月の中で積み重なり、やがて“裏切り”という形で現れたとしたら――。


今回のご相談は、67歳の女性から寄せられたものです。


夫の不貞を確信しているのに、当の本人は頑なに否定を続ける。

証拠を突きつけても、言葉を重ねても、真実は闇に隠されたまま


夫婦としての年月、積み上げた思い出、それらがすべて嘘だったのかと胸を痛める女性の声には、深い悲しみと静かな怒りが滲んでいました。


夫の裏切りを確信した夜

ご相談者は結婚して40年以上になる女性。


夫は70歳、相談者は67歳。二人の間には長い夫婦の歴史がありました。


しかし、その穏やかな日々の裏側に、信じがたい現実が潜んでいたのです。

夫の不倫相手は、なんと高校時代の同級生。


彼女との関係は、36歳のころから続いていたといいます。


つまり、34年という年月――人生の半分以上もの時間、夫は別の女性と関係を持っていたのです

妻がその事実を確信したのは、いくつもの“小さな違和感”が積み重なってからでした。


夜勤明けに帰宅すると、ご飯が炊かれていない。

お弁当を作った形跡もなく、布団も敷かれていない。


「一体どこで夜を過ごしていたの?」


問いただしても、夫は「職場で寝た」と言い張るばかり。

さらに、遅番の日には決まって10万円を下ろす。


しかも、財布の中にはその金額が残っていない。


月に2回、必ず消える10万円――そのお金の行き先を、妻は知っていました。


旅館代、食事代、そして“彼女”へのお小遣い。

ある日、妻は勇気を振り絞って相手女性に連絡を取りました。


女性は驚くことなく、淡々とこう答えました。


「36のときからのお付き合いです」


その言葉が、長年抱えてきた不信を一気に現実に変えました。


夫は否定し、暴力を振るう

妻が証拠を突きつけても、夫は認めませんでした。


「スマホの履歴はバグだ」「お前の思い込みだ」


否定の言葉は次第に怒りへと変わり、やがて暴力に変わりました。

妻は静かに語ります。


「肋骨が2本、折れたんです」

それでも彼女は夫を訴えず、家を出ることもできませんでした。


「40年連れ添った相手だから」「老後に一人になるのが怖いから」――


そうした気持ちが、彼女をその家に縛り付けていたのです

夫の退職金はすでに消え、貯金もほとんど残っていない。


「分けるお金もない」と言い切る夫の背中を見ながら、妻は思いました。


「私は、何のためにここまで我慢してきたのだろう」と。


弁護士・大迫恵美子先生の冷静な分析

番組の回答者である弁護士・大迫恵美子先生は、まずこう指摘します。


「ご主人が不貞を認めることは、おそらくありません」

夫にとって、浮気を認めることは自分の“人生の否定”に等しい。


だからこそ、どんなに証拠を突きつけられても、プライドがそれを許さないのです。

先生は続けて言います。


「事実を争っても、何も変わらない。あなたがこれからどう生きていくかを考えることが一番大切です」

つまり、「認めさせること」よりも、「これからの人生をどう立て直すか」


視点を変えることが、苦しみから抜け出す第一歩なのです。


プライドの鎧に閉じこもる夫

加藤諦三さんが放送の最後に語った「今日の一言」はこうでした。


「事実が問題ではなく、自分のプライドが問題の人と事実の議論をしても、しょうがありません。」

この言葉こそ、今回の相談の核心を突いています。

夫は“間違いを認めること”よりも、“体面を保つこと”を選びました。


それは、弱さの裏返しでもあります。


自分が築いた人生や家族像が崩れることを恐れ、真実から目を背ける。


そんな夫の姿を見ながらも、妻は心のどこかで「変わってほしい」と願っているのです。

けれど、大迫先生ははっきりと告げました。


「あなたがどんなに頑張っても、変わらない人は変わりません。だからこそ、自分を守る方向へ舵を切るべきです。」


「別れる勇気」と「生きる覚悟」

夫婦の関係が破綻しても、「離婚」が必ずしも唯一の答えではありません。


年齢、経済状況、住む場所、家族関係――どれもが複雑に絡み合っています。


けれど、どんな選択をするにしても、最初に考えるべきは“安全”と“尊厳”です。

暴力があるなら距離を置く。


経済的に不安なら、社会制度や支援を調べる。


その上で、法律的な助けを借りて現実を整理する。

もう夫に期待するのはやめましょう。
 これからは、“あなた自身の人生”をどう生きるかを考えてください。」


大迫先生の言葉は、まるで長いトンネルの先に光を灯すようでした。


心の再生のために

34年という長い年月を裏切りの中で過ごした女性。


その心の傷は、簡単に癒えるものではありません。


でも、ここから始めることはできます。

「裏切られた人生」ではなく、「もう一度自分を取り戻す人生」。


人は、いくつになってもやり直せます。


大切なのは、「自分を大切にする勇気」を持つこと。

誰かに理解されなくても、自分だけは自分を信じる


その小さな決意が、次の一歩につながっていくのです。


まとめ

夫の不貞を追及しても、真実を認めない相手と向き合い続けるのは、心がすり減るだけ。


大迫先生の助言は、そんな現実の中で「生き抜くための智慧」を教えてくれました。

誰かを変えることはできません。


けれど、自分の生き方を変えることは、今この瞬間からでもできます。

「認めさせる人生」ではなく、「納得して生きる人生」を――。


それが、長い苦しみの先に見える“再出発”の道なのかもしれません。


放送はこちらから視聴できます

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

人生に正解はありませんが、誰かの悩みを知ることで、自分の心が少し楽になったり、新しい考え方に気づけることもあります。

このブログが、読んでくださった方の「明日を生きるヒント」になれば嬉しいです。

またぜひ遊びに来てくださいね。

以上、悟(さとる)でした。

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