2025年10月24日(金曜日)放送分
パーソナリティー:玉置妙憂
回答者:大迫恵美子(弁護士)

こんにちは、悟(さとる)です。
人生には、思いもよらない形で心を揺さぶられる出来事があります。
特に、長年連れ添った夫婦の間で信頼が崩れたとき、人は深く傷つき、どうすればよいのか分からなくなるものです。
今回のご相談は、長年の結婚生活の中で、妻の不貞行為を知ってしまった男性からの切実な悩みでした。
怒りでもなく、悲しみでもなく、ただ「どうしたらいいのか分からない」と揺れる心。
その姿に、わたしも胸が締めつけられるような思いで耳を傾けました。
妻の裏切りに気づいた夫――それでも離婚を望まない理由
56歳の男性からの相談。
妻も同じく56歳。
すでに4人の子どもは独立し、夫婦二人の生活が続いていました。
しかし、その平穏な暮らしの裏で、相談者は長年抱えてきた疑念と向き合うことになります。
ある日、偶然見つけた妻の日記には、複数の男性との親密な関係を思わせる内容が書かれていました。

その中には、旅行先の出来事や、相手の名前まで記された記述もあり、夫は衝撃を受けます。
妻は一見、普段通りに家庭の中で生活しているように見えますが、実際には夫の知らない時間を生きていたのです。
それでも、相談者は離婚を望んでいません。
「裏切られた」と感じながらも、「それでも妻を嫌いにはなれない」と語ります。
夫婦として過ごしてきた長い年月、子どもたちとの思い出、家庭という安心の場――それらを手放す勇気が持てず、苦しみながらも関係を続けているのでした。
妻の行動に隠された心理――弁護士が読み解く「人の心の複雑さ」
相談に耳を傾けたのは、弁護士の大迫恵美子さん。
彼女はまず、淡々と事実を受け止めたうえで、こう語りました。
「この年代になると、夫婦それぞれが“自分の人生”をもう一度見つめ直す時期に入るんです。
夫婦であっても、一人の人間としての欲求や孤独が顔を出すことがあります。」
大迫さんは、妻の行動を単純な「裏切り」として片づけるのではなく、「人間の欲求」「老いへの不安」「承認を求める気持ち」といった、複雑な心の動きの表れだと説明しました。

さらに、「夫がなぜ離婚できないのか」にも焦点を当てます。
それは、怒りや執着ではなく、「妻がいない人生を想像できない」という深い依存や愛情の裏返しであること。
「自分はどうしたいのか」という問いを避け続けたまま、現実にしがみついてしまうことが、結果として苦しみを長引かせてしまうのだと指摘しました。
夫婦の信頼が壊れたときに必要なのは「相手を変えること」ではない
相談者は、「妻の行動をどうやって止めればいいのか」と繰り返します。
しかし大迫弁護士は、その発想自体を静かに正しました。
「人は、自分の意思でしか変わりません。相手を止めようとする前に、自分がどう生きたいかを見つめ直すことが大切です。」
つまり、妻を責めたり、行動を制限したりすることよりも、自分自身がどうありたいのか――“自分の立ち位置”を見つけることが、第一歩になるということです。
玉置妙憂パーソナリティーも、相談者の心情に寄り添いながらこう続けました。

「ご自身の中にまだ“愛”があるのなら、その気持ちをどう扱うかが次の課題です。
愛情があるなら、それを憎しみや監視に変えずに済む道を探してほしいですね。」
まるで、長い年月を共に生きた夫婦が迎える“人生の岐路”を、静かに照らすような言葉でした。
離婚でも修復でもない、「自分を取り戻す」という選択
大迫弁護士は、夫婦関係の行き詰まりに直面した人に共通して言えるのは、「相手中心の思考から抜け出すこと」だと語ります。
たとえば、妻の行動を追うことにエネルギーを使い果たしてしまう人ほど、自分自身の幸せを見失いやすい。
離婚をするかしないかという選択の前に、「自分の生き方をどうしたいのか」という視点を取り戻すことが、心の安定につながるのだと言います。
夫婦とは、本来「他人が一緒に生きる」という不思議な関係です。
長い年月の中で、愛情が形を変えたり、思いやりの方法がすれ違ったりするのは、決して珍しいことではありません。
だからこそ、問題を「誰が悪いか」ではなく、「これからどう生きたいか」に置き換えていくことが、真の意味での“前向きな整理”になるのだと感じました。
相談者の心の奥に残っていたもの――「それでも、妻を愛している」
番組の終盤、玉置さんが優しく問いかけました。
「あなたは、今も奥さまを好きなんですよね?」
少しの沈黙のあと、相談者は静かに「はい」と答えました。

その声には、怒りでも悲しみでもなく、深い諦めと愛情が入り混じった響きがありました。
大迫弁護士は、その言葉にうなずきながらまとめます。
「それなら、あなたが選ぶのは“裁く”ことではなく、“どう生きるか”です。
愛しているなら、その形を自分の中でどう残すかを考えてみてください。」
裏切りを許すことは、決して簡単なことではありません。
けれども、人を愛し続けるということは、相手ではなく“自分の心”と向き合う勇気でもあります。
相談者がこの先、怒りや悲しみの中でも自分の人生を歩み直せるようになることを、番組全体がそっと願っているようでした。
まとめ
夫婦の絆は、形が変わっても、そこに積み重ねた時間や思い出が消えることはありません。
人は誰しも、自分を理解してほしい、愛されたいという気持ちを抱えながら生きています。

そして時に、その気持ちが間違った方向へ向かうこともあります。
大切なのは、「相手を変えること」ではなく、「自分の心を整えること」。
怒りや悲しみの奥にある“本当の思い”を見つけることで、初めて前に進むことができるのだと思います。
放送はこちらから視聴できます
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
人生に正解はありませんが、誰かの悩みを知ることで、自分の心が少し楽になったり、新しい考え方に気づけることもあります。
このブログが、読んでくださった方の「明日を生きるヒント」になれば嬉しいです。
またぜひ遊びに来てくださいね。
以上、悟(さとる)でした。


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